We proposed new methodological approaches to ant-task networks at the individual, module and network levels.
Haruna Fujioka*, Yasukazu Okada, Masato S. Abe*.
“Bipartite network analysis of ant-task associations reveals task groups and absence of colonial daily activity”
Royal Society Open Science (2021). doi: doi.org/10.1098/rsos.201637
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<解説>
アリやハチなど、社会性昆虫では、巣内でさまざまな行動特性をもつ個体が共同生活しています。その行動特性は、育児や採餌など明瞭な役割(タスク)も存在しますが、いくつの仕事に分かれるのか?、個体がどの程度その仕事に特殊化しているのか?などコロニーレベルでは明らかになっていないことも多いです。
その要因として、集団サイズが大きく行動観察が困難なことや、各個体が日齢や生理状態、形態などさまざまな特性を持つため、解析が難しいことが挙げれらます。
そこで、コロニーサイズの小さく、単型のトゲオオハリアリ(100-200匹程度)を用いて、コロニーの各個体の行動を、3時間ごとに3日間の観察を行いました(ここは気合で乗り切ります)。
ネットワーク解析についても、
アリの分業を理解する上で重要となるアリの分業を理解する上で重要となる4つの新しい手法を提案しました.
- nestedness to quantify the overlapping structure of the bipartite network
ネスト構造について - module-module network
モジュール(ネットワークの中のサブグループ)について - Degree of specialization of each individual with consideration of module structures
モジュール構造に分けた上で、個体ごとの特殊化度合いを評価 - How to integrate age & temporal information into the network
時間や齢の情報をネットワーク解析にどのように組み込めるか?結果として、育児や採餌だけでなく、非活動を示す個体グループがいること、昼と夜でタスク分配のパターンは変わらないことを示しました。タスクグループの数や個体ごとの特殊化度合いは、個体差やコロニー差が大きく、今後の課題です。